スティーリー・ダン (Steely Dan) を初めて聴いたのは、二十代前半の頃の夏、とある街中にある高層ビルのCDの視聴室だった

スティーリー・ダン (Steely Dan) を初めて聴いたのは、二十代前半の頃の夏、とある街中にある高層ビルのCDの視聴室だった。そのときなぜ彼らのアルバムを手にしたのかよく覚えていないが、視聴したアルバムは『Aja』と『Gaucho』だった。紛れもない彼らの代表作であり、ロック史上屈指の名作のひとつだ。アダルトコンテンポラリー及びフュージョンの歴史を塗り替えた、とも言われるそのアルバムの1曲目『Black Caw』の最初のドラムとベースのサウンドを聴いた瞬間に、まさに私は彼らのサウンドの虜になったのである。 その洗練された雰囲気、完璧なサウンドそして不思議なメロディーに圧倒され、この摩訶不思議な感覚はいったい何なのだろう、と思った。ヴォーカルは最初、黒人のようにも思えた。そしてアルバムタイトル曲でもある『Aja』を聴いたとき、あまりのすごさに身が震える思いがしたのを覚えている。 そうして私はその夏中、朝から晩まで、仕事中もずっと、主に『Aja』と続くアルバム『Gaucho』を、まるで麻薬患者のように聴き続けていた。

この2枚のアルバム、あるいは彼らの全てのアルバムの中でどの曲が一番好きかと訊かれても、ビートルズ (The Beatles) と同様、答えることはとうてい不可能だ。ただ、強いて言えば『Deacon Blues』のメロディー、サウンド、雰囲気は個人的に特にグッとくるものがある。

個人的な音楽の遍歴としては、大雑把には、まず最初に歌謡曲が入り口で、その後、カーペンターズ (Carpenters)ベイ・シティ・ローラーズ (Bay City Rollers)キッス (Kiss)ポールモーリア・グランド・オーケストラ (LE GRAND ORCHESTRE DE PAUL MAURIAT) などでロック、ポップス、イージーリスニングなどの世界へ扉が開かれる。そして、ザ・ビートルズ (The Beatles) による洗礼を受けた後、ビリー・ジョエル (Billy Joel) 、渡辺貞夫、松任谷由実、ブラックコンテンポラリー、アメリカン50,s、クラシックなどにも熱中。やがてスティーリー・ダン (Steely Dan) を知り、そこからジャズ・フュージョンの世界にどっぷりと浸かっていくことになる。

摩訶不思議黄昏色楽団 (Magical Twilight Orchestra) の音楽はそういった個人的な音楽遍歴の中で受けた様々な影響がミックス、フィルタリングされ生まれてきたものだと思うが、中でもスティーリー・ダン (Steely Dan) から受けた影響は絶大なものだったと思う。

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