漫画家のデッサン力とアイドル歌手の歌唱力

先日、ある漫画家の展覧会に行ったのだが、その際に、そのデッサン力に改めて驚かされた。私は漫画は久しく読んでいないので、現在の漫画界の状況を詳しくは知らないのだが、ちらほら見る限り、デッサン力に秀でている漫画家の数が増えている、と思う。

私の知る限り、海外で高く評価されている漫画家はこの手の作家が多い。その源流を辿ってみると、それは大友克洋に辿り着く。大友克洋以前の漫画家のデッサン力は、漫画の絵を描き続けることによって我流で形成されていった。それはそれで独自の世界観が現れていて、それなりに面白かったのだが、大友克洋以降はデッサン力を武器にしたとさえ言うことができるある一定の潮流ができていった。それが現在の漫画界のデッサン力の水準の高さに繋がっているのだろう。

そして、今回、漫画家の展覧会を観て改めて感じたのが、デッサン力が優れているから、デザイン力もまた素晴らしい、ということだった。ちょっとした文様のイラストレーションひとつを取っても、その構成が素晴らしく、デザイン的な観点から見てもしっかりとしていて遜色がない。一コマの中での人物の大きさ、カメラアングルも素晴らしい。1ページ全体を見ても、コマ割り、空間、レイアウトも素晴らしい。これらを総合的に見て、これは世界の人たちに見せても、全然恥ずかしくないものだな、と思う。

一方、話は日本の芸能界のアイドル歌手の話に移る。いつの時代でも言われてきたことだと思うが、日本のアイドル歌手の歌唱力は玉石混淆だ。というより、改めて言うまでもないことだが、ほとんどは30秒も聴いていられないレベルだ。ビジュアルはともかく、1曲聴いてうんざりするアイドル歌手は無数にいる。CDなどとても聴いてられない。とても世界の人たちに聴いてもらいたいとは思えない。なぜこんな水準でデビューできてしまうのか、それは言うまでもないだろう。

世界に通用する漫画家とデッサン力の話同様、アイドル歌手にも歌唱力が最低限の条件とされても良いのではないだろうか。世界に通用するアイドル歌手、というよりアーティストと言ってもいいくらいのアイドル歌手が出て来れば、Japanese Coolの一環として、日本の芸能界、音楽界が高いレベルのものとして世界的に認知されるきっかけになり、日本のコンテンツの発展に大きく寄与することができると思う。あのザ・ビートルズ (The Beatles) でさえ、最初はアイドルと言われていた。今となっては信じられない話だが。しかし、これは日本のアイドルの話とは全く次元が異なる。

ある夜、YouTubeでとある元アイドル歌手の動画を観ていたのだが、しばらくその歌を聴いていて次第に疲れてきた。そして、やはり歌唱力が今一歩物足らない、ということに改めて気づかされた。でもその可愛さに目を奪われ、癒されていたので、それはそれでいいかと思った。
でも、よく考えたら、それがいけないんですよね。。

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